「ムカサリ絵馬」親などが、子供の結婚式を絵馬にして奉納する風習、山形県のとある地方で今現在もなお行われています。
ムカサリ絵馬の由来、そして現在ムカサリ絵馬を描ける絵師はだた一人となり現役で活躍されている高橋知佳子さんが、絵師になろうと思ったきっかけ、小さい頃から霊が見えていたというご自身に起きた霊体験談などを踏まえてご紹介いたします。
高橋さんの「ムカサリ絵馬」に対する思いなど非常に興味深いお話となっております。
気になるお値段やお問い合わせ方法も記事の最後に記載しておりますので、是非ご覧ください!
さらに、ご自分で描いてみようと思われる方はこちらの記事→『ムカサリ絵馬を自分で描く場合の描き方と注意事項を詳しく解説!』の注意事項をよくご覧になってから挑戦してみて下さいね。
一般の絵馬の奉納の仕方を知りたい方は→こちらをご覧ください
「ムカサリ絵馬」とは何か?その由来
「ムカサリ絵馬」は、結婚した事が無いまま亡くなった方を描くもので、
「未婚のまま亡くなった方の結婚式の絵馬」(死後結婚) 。
「ムカサリ」は山形の方言で、「結婚(式)や「花嫁」を意味する為、「ムカサリ絵馬」とは結婚の情景(祝言や結婚の記念撮影)などを描いた絵馬の事言います。
江戸時代より最上地方、最上川沿い(=米沢市から始まり酒田市まで続いている母なる川)に伝わる風習で、「あの世での結婚式の絵馬」の事。
交通事故、戦争、病気、水子等の理由で結婚せずに亡くなった子のために、親や兄弟または親戚のものが描き、供養する。
「ムカサリ絵馬」は山形県東部の村山地方から最上地方かけて奉納が認められる絵馬の「額」のことで、ムカサリ絵馬が奉納される観音堂は、上山市から鮭川村まで、最上三十三観音の地域と重なります。
東アジアで今もみられる死者の婚礼「瞑婚(めいこん)」に由来するものといわれ、青森県津軽地方では人形で供養されるが、山形県ではムカサリ絵馬として奉納されてきた。
なかでも数が多いのは、天童市の若松寺(じゃくしょうじ)、他は、村山市の小松沢観音、東根市の黒鳥観音、この3つは今でもムカサリ絵馬を奉納することができます。
ちなみに奉納はできませんが、山寺の奥の院にも飾られていますのでご覧になることはできます。
「せめて来世では幸せになってほしい。そして、今度は健康で長寿をまっとうできる人として生まれ変われるように・・・」という親の深い願いが込められている。
ちなみに、昭和以前の絵馬は「現世で果たせなかった夢を描いたもの」が数多く残っているという。
現在、若松寺に奉納されている絵馬は約1500体ほどあり、近年供養中の絵馬は本坊(祈祷所)に安置されています。
「ムカサリ絵馬」は現代の絵馬とは違い、大きさは大体、50〜70cmx40〜50cm程の大きさで、一辺が1mを超すものも稀にあるそう。
多くの「ムカサリ絵馬」を奉納する縁結びのお寺「若松寺」(若松観音:わかまつかんのん)
山形県天童市「若松寺(じゃくしょうじ)は、今から約1315年前、708年の開祖で「行基菩薩が開山されたと」言われている。
良縁寺として知られており、「生きている人から死んでいる人まで、全ての良縁を司る寺」と言われ親しまれいる。
「良縁」といえばまず神社を想像するが、この若松寺でお参りをすればいい縁に巡り会えると言われており年間を通してたくさんの人が訪れる地となっています。
住職のお話では、「正月ともなれば、女性は赤い物を身につけてこのお寺に登ってくる、男性は女性を押して(お尻を押して)上げてきた、そして縁が結ばれたという人が多数いる」と言う。
赤は縁起の良い色とされています。
そのため昔からこのお寺は「縁寺だ」と言われ続けてきた。
東北の中では指折りの場所として知られている。
以前は若松寺まで昇ってこられる舗装された道路はありませんでした。
昭和41年〜43年に若松観音を改修される為に作られた道路、それが今現在ある道路です。
雪の中でも毎年たくさんの人が急な階段を登って良縁を結びにいらっしゃいます。
観音様に辿り着くまでには結構きつい道のりだということですが、それでも幸せを求めに訪れる方が毎年後を絶たないのだとか。非常にパワフルな良縁のお寺ですね。
※コロナが流行る以前は、毎月第一日曜日に若松観音の方で「縁結び祈願際」を行っていましたが、現在は中止しており、再開の予定は残念ながらありません。
ムカサリ絵馬絵師の高橋知佳子さんとはどんな人?
なぜこの道に入ったのか?
これは高橋さんが小さい頃に体験した霊体験です。
高橋さんは幼い頃から実家でよく黒い影(ガチッとした体型)を見ていたと言う。
しかも三姉妹とも同じものを見ており、当時はそれがとても恐ろしかったと言う。
高橋さんが高校生の頃、親戚の方が原因不明の左目の病に襲われた。
医者に行っても原因がわからないので何もできない、仕方なく、近所の霊能者(山形県では「おながま」と言う)に会いに行ったところ、「本家で左目をヤられて亡くなった兵隊さんがいる」と言われ、「本家に行って線香を上げてこい」と言われたと言う。
のちにその霊能者と一緒に本家に行き線香をあげお参りをしたところ、1週間もしないうちに親戚の左目は治ったそうだ。
後に発覚したことだが、その兵隊は高橋さんのお祖父さんの弟さんだったそう。
時は経って、高橋さんが20代前半の頃テレビで「ムカサリ絵馬」のことを知ったという。
小さい頃から絵を描くのが大好きだったこともあり、やってみたいと思ったそう。
その時、以前高橋さんの前に現れた兵隊さん(お祖父さんの弟さん)のことを思い出し、「描いてあげたい」と思ったそうだが当時学生だった高橋さんは日々の忙しさもあり、そののまま忘れてしまい結局描かなかったと言う。
その後また時は経ち、高橋さんが一人目を妊娠し里帰りをしていた最中、突然耳元で何かに、「まなぐめね(目が見えない)」と言われ、そのことを母に話すと、「以前現れた兵隊(お祖父さんの弟さん)が「目が見えない」、と訴えてきたのではないか」と言われ、高橋さんはそこで絵馬を描かなかった事を思い出し、すぐに取り掛かったと言う。
描いた絵馬は若松観音に奉納した。その後一切、霊障は起こらなくなったと言う。それがきっかけとなり、 高橋さんは寺に連絡をし、ちょうど当時の絵師が高齢で引退するということもあり、絵師の仕事を始めたと言う。
ムカサリ絵馬はどのような手順で書くのか?
高橋さんは遺族から名前を聞き、写真があれば預かり、頭の中で亡くなった子供の魂に話しかけ、ボールペンやアクリルなどを使って、紙に描いていくという。
相手はどういう人がいいのか、どういう衣装、着物がいいかなど雑誌を見ながら一緒に探していくという。結婚式の衣装ではあるが、高橋さんはできる限り本人の要望に答えて描いていくという。
ムカサリ絵馬の相手の方はどう描くのか?
相手を描くときは生きている人は描いてはいけないという原則があるので必ず架空の人だけを描きます。
過去に、絵師に頼まずに家族が誤って実在する人を描いて奉納しましたが(生前の婚約者や好きだった相手など)実際に連れて行かれてしまった、という事例は一つや二つではない、と若松寺の教務の方もお話しされていました。
※若松寺ではお相手に実在する人物を書かれた場合は奉納をお断りしていますので、ご自身で書かれる場合はくれぐれもお気を付けください。
ムカサリ絵馬・水子さんの場合はどう描くのか?
お母さんの名前、声などから想像して描くと言う。水子さんは要望をあまり言わないので高橋さんにおりてきたイメージで描くが、依頼者の母親は自分に似ていると言う事が多いと言う。
高橋さんが絵馬を描いていて実際に体験したお話
ある女性の霊はモダンなヘアスタイルに、モダンな着物がいいと要求してきた、結婚式の衣装である為、一応、依頼者である母親に連絡したところ、娘さんは以前ダンサーをしており、普通の人と同じを嫌がっていたた為、「それでいい」と言われたので本人の要望どうりに描いたという。
その亡くなった女性には当時婚約者がいたが、架空の人を描かなくてはいけない為、女性のみの写真を頂いていた。
架空のお相手を描きあげ、母親に見せたら、当時の婚約者にそっくりだったという。
母親は生きている娘の元婚約者を心配し、若松寺に大丈夫かどうか問い合わせたところ、その人を描いているわけではないので大丈夫だと言われたという。
今はもうすっかりなくなったが、以前は絵馬を描いている時以外にも、寝ている時などに霊が要望を訴えてきたりした事もあり、霊障が酷くなった時もあったと言う。
お御祓に行くと、「こういう絵を書いたでしょう?」と言われ聞いてみるとその霊は相手の人が気に食わないと言っていたと言う。
当時はその都度よくお祓いに行っていたという。
最終的に霊能者の方にお祓いしきれないからあなたもこの道に来なさいと言われ、高橋さん自身も霊能の道に入ったという。
そこからは怖い思いをしなくなり、絵馬を描きやすくなったという。
高橋さんは実際にムカサリ絵馬を描いた後に故人が最終的に成仏していく姿を見て、ムカサリ絵馬には本当に力があるのだと感じたそう。
その他の実例
ここからのお話は陰陽師の橋本京明さんとの対談の時にお話しされていた京明先生の体験したお話です。とっても興味深いのでこちらのYoutube動画も是非一緒にご覧ください。
実例1
以前、火傷が原因で亡くなった男性がいて若松寺で死後結婚をしてもらった時のお話。
ムカサリ絵馬を奉納したその1週間後、家族の夢にその男性が出てきて、「熱い、熱い」と言って立っていたと言う。
10日後、男性は平然として夢の中に立っていた。
3週間ほど経ったある日の夢では隣に女性が立っていた。
その後また時が経過し、また夢を見た時には男性は子供を抱っこしていたと言う。このような話を多々聞くという。
実例2
なかなか結婚できなかった女性が訪れてきたので、ムカサリ絵馬を紹介した。なぜならその女性には水子の方がいらしたので、その方を描いてもらった。
3ヶ月後、いい縁があって結婚されたという手紙が京明さんのもとに届いたと言う。
実例3
死後結婚を行った後に、その家系で離婚が多かった、病気がちの家系だった、といったものが無くなるケースがあると言う。他にも不良になった息子が更生した、など様々なケースが上がっているという。
いろいろな先祖供養があるが、このムカサリ絵馬の先祖供養はとても力の強いものだと京明さんは語る。
京明さんは小さい頃から霊と話す事ができるが、結婚したいと訴える霊はたくさんいると言う。その時はいつもムカサリ絵馬をお勧めするという。
高橋さんにとってムカサリ絵馬とは?
「天職、この仕事をするのが私の仕事だと思っている」
素晴らしい志の方ですね。 依頼の数は多い方ではないので、他にも仕事をされているそうですが、この先もこの伝統を閉ざさぬよう、ムカサリ絵馬をもっとたくさんの人に知ってもらいたいと思います。
高橋知佳子さんのX(旧ツイッター)・Facebook・公式HP
「霊界の仲人」こと、ムカサリ絵馬の絵師 高橋知佳子さんの「Twitter」「Facebook」「公式HP」はこちら ⬇️
X(旧ツイッター):ムカサリ絵馬師 @mukasari_ema
Facebook:https://www.facebook.com/chikako.taka…
公式HP:https://mukasari-ema.jimdosite.com/
*若松寺に直接連絡しても、高橋さんの連絡先を教えてもらえるそうです。
「ムカサリ絵馬」料金
お値段:28,000円 (2022年10月8日現在)
<若松寺>
鈴立山 若松寺
〒994-0021 山形県天童市大字山元2205-1
TEL: 023-653-4138
FAX:023-653-2700
まとめ
これだけたくさんの事例を目の当たりにすると、ムカサリ絵馬は本当にすごい力を持っているのかも知れません。 家系に結婚していない人や先祖供養を考えている方などは奉納することにより、自身や家族の良縁や健康までもが改善されるということが本当に起こるのかも知れませんね。
心当たりがある方は一度検討されてみるのもいいかも知れません。